注文住宅の4つのメリットと3つのデメリット
1. 注文住宅ってどんなもの?
読んで字のごとく、あなたのオーダーによって建てられる、住宅取得の羨望の的。それが『注文住宅』だ、
注文住宅とは、全ての家の仕様をあなたが決めて世界に一つだけのあなただけの家を建てることができる買い方だ。
2. 注文住宅はどうやって買うの?
注文住宅で家を手に入れるにはいくつか方法がある。
2.1 建築条件ありの土地を入手して購入する
土地を購入した際に、建築を依頼するハウスメーカーが予め決められているか、または選択制になっている。
この場合、ハウスメーカー選択は完全自由ではなく、決められたハウスメーカーとしか契約することができない。この場合は『建築条件付き注文住宅』と呼ばれる制約がある注文住宅の形になる。詳しくは『建築条件付き注文住宅』を参照して欲しい。
2.2 建築条件なしの土地を入手して購入する
土地に建築条件が定められていない場合は建築依頼先を自由に選ぶことができる。ハウスメーカー選択についても自由に選択したいのであれば建築条件付きの土地ではなく、自分で制約のない登地を見つけるか、または制約のある土地の持ち主に対して、制約を外してもらえるように交渉することになる。
3 注文住宅のメリットは?
3.1 完全自由な設計が行える
建てる家はあなたの意見を100%取り入れた、完全にあなた好みの家に仕上げることができる。分譲住宅では、すでに建てられた家があなたの好みに合うかが決め手となる。しかし、注文住宅では全てがあなたの自由だ。シックにするもモダンにするもおしゃれにするも可愛くするもすべてがあなたの自由だ。
3.1.1 分譲住宅は『広く一般的な住宅』である
分譲住宅のほとんどは「夫婦と子供二人」に対応できる、「標準的な家庭の形」にあわせてあるのだ。1FがLDKと和室が1つ、2Fには部屋が3つというのが『標準的な家』だ。
3.1.2 分譲住宅の間取りは一般的ではあるが使いづらい
一般的であるはずの分譲住宅だが、万人受けする構成であるが故に家族構成によってはすごく使いづらいのだ。例えば、子供が3人いるとなると、将来的に2Fの全てをそれぞれの子供に割り当てなければならず、夫婦の寝室や書斎は1Fの和室を使わざるを得なくなる。この様に分譲で売られている家は「夫婦と子供二人」より家族構成が多くなると途端に手狭になり、住みにくい家になってしまうのだ。
3.1.3 注文住宅はいかなる家族構成も解消する手立てがある
注文住宅は、その不満を解消する事が出来る。先ほどの例で言えば、2Fの部屋を少しずつ小さくし、3部屋だったところを4部屋にしてしまうことも可能だ。さらに言えば、子供が巣立ったあとは壁を取り外し、あなたたち夫婦の趣味のための部屋にする事だって出来る。一見、分譲住宅でも同じことができそうに思うかもしれないがそれは誤りだ。分譲住宅の壁はそのほとんどが構造計算に含まれている壁、つまりは『家を支えている壁』になってしまっているからだ。注文住宅であれば、将来的に取り外す壁を構造計算に入れずに設計することで、将来的な壁の取り外しに対応することができるのだ。注文住宅はあなたの大切な家族とその将来にぴったりの家を仕立て上げる事が出来るのだ。
3.1.4 自分だけの住宅を手に入れた時の感動は他では手に入らない
家を買うのは一生に一度か二度あるかだ。もちろん大変さはあるが、自分だけの家を追求し、完成した時の感動はまず他では味わう事ができない。また、先ほどのライフスタイルに合わせた家は分譲住宅の人が訪れると非常に羨ましがられるポイントだ。自分の家に人を呼ぶだけで誇らしい気持ちになる。金銭的にも苦労も分譲に比べると格段に増えるが、それを補って余りある生活が送れるだろう。ぜひ一生に一度は体験していただきたい経験だ。
3.2 土地が自由に選べる
注文住宅では全てが自由なので、当然土地選びも自由だ。分譲なども自由に選べているように思うかもしれないがそれはあやまりだ。
3.2.1 分譲は細かい土地は選べない
分譲住宅は予め家が建てられてしまっている。そのどれかを購入することになる。大規模な分譲販売であれば自分の好みの場所を選べそうなものだが現実はそう甘くない。
人気のある土地の分譲であれば、販売開始とともに恐ろしい数の人が押し寄せ一斉に人気がある場所を予約する。はじめから人気が出そうだとわかっている場合は抽選になることすらある。あなたが希望する家も多くの場合は他の誰かも狙っていて、予約争奪戦に勝つか、抽選で選ばれなければならないのだ。
3.2.2 注文住宅は土地選びにいくらでも時間をかけられる
一方で注文住宅は土地の取得がすべてのスタートになっている。日本全国どこの土地でも思いのままに探すことができる。分譲では現地を見ないまま購入を決めなければならないこともあるが、注文住宅であればその心配は無用だ。気になる土地があれば現地まで行き、時間帯に応じた環境の変化など細かな下調べを済ませてから購入を決めることができる。土地選びに時間を使えるということは、買ってからの後悔する可能性を減らせるということでもあるのだ。
3.3 設計士、施工会社が自由に選べる
選択する土地に「建築条件」がついていない限り、だれに設計を頼み、誰に施工を頼むかは完全にあなたの自由だ。当然だが家の出来は担当する設計士、施工会社によって大きく左右されまる。
3.3.1 分譲と一線を画する素敵な家を目指す
デザイン性の高い家や、特殊な耐震装置を備えた家、特殊な構造を持つ家は、それを得意とする設計士、施工会社があり、その業者ではないと作れない事があるのだ。あなたが希望する家がどのハウスメーカーでも作れるのであれば問題がないが、特殊な技術が必要であれば建築条件付きなどでハウスメーカーが固定されてしまう状況は避けて注文住宅にこだわったほうが良い。
3.3.2 ハウスメーカー固定でガレージハウスが夢と消えた例
例えば、私は『建築条件付き住宅』を選択したのだが、設計、施工は土地を売りだしていたハウスメーカーに頼まざるを得なかった。私は実は1Fがガレージと同居しており、車内から車が眺められる、いわゆる『ガレージハウス』を夢見ていた。(車好きなのだ)しかしながら、ハウスメーカーの担当にそのことを打ち明けると、返ってきた言葉は「うちではできません・・・」であった。結局、私のガレージハウスの夢を実現させることは無く、あきらめる事となってしまった。その土地と夢を天秤にかけて土地の魅力に傾いたという訳だ。しかし、今でもガレージハウスの特集などを見かけると、あの時、違う土地を探して注文住宅にすればガレージハウスが手に入ったのになぁと後悔しつづけている。
3.3.3 あなたの理想の家をたれられる設計士、施工会社を選ぼう
あなたの住みたい家が、ガレージハウスのような「普通の住宅」ではない場合は、ハウスメーカーでは対応できないことが多くある事を覚えておいて頂きたい。できれば住宅展示場などで、気になるハウスメーカーに理想の家が建てられるか聞いてみると良いだろう。理想の土地と理想の家を建てられるハウスメーカーが見つかって初めて建設の条件を揃えることができるのだ。そしてそれは注文住宅にしかできないことだ。
設計、施工会社が自由に選べる、というのは妥協することなく理想の家を取得する唯一無二の方法なのだ。
3.4 施主支給ができる
家の素材は数多くあるが、ハウスメーカーが取り寄せて使用できるものは限られている。取り付け後の補償などの絡みでどうしても決められた選択肢の中から選ばなければならない。しかし、その制限を『施主支給』をすることで解除することが出来る。
3.4.1 施主支給とは
読んで字のごとくだが、家の設備を施主、つまりあなたが仕入れてハウスメーカーに提供する方法だ。この方法は、提供する資材があなたから仕入れられるため、ハウスメーカーの保証対象外になってしまう。しかし、限られたハウスメーカーの使える資材だけでなく、全世界からあなたが好きな資材を手に入れて使うことができるのはこの施主支給のみだ。
4. 注文住宅のデメリットは?
4.1 凝り性の人にはとっても大変になる
これは私がそうだったので一番に書きたいと思う。注文住宅は、全てが自由です。その反面、すべての仕様を自分で決められるが為に、全てを完璧に調べようとする性格だと、とても苦労する事になるのだ。
4.1.1 外装はハウスメーカーの取引のある業者から選択
例えば、家づくりは家の間取りと外観からスタートする。私はまず、設計士さんから渡された提案の中に書かれていた外装素材を一通り眺めた後、素材の情報をひたすら調べ初めた。自分の人生で家の外装素材などと関わった事が無い為、評価が下せなかったのだ。屋根材一つとっても、提案書にあった製品名からメーカーのホームページを見に行き、ネット上の評価を読みあさり、ランクが上の商品、下の商品、別のメーカーの製品と比べて、選ばれた製品が価格的にも性能的にも妥当なのかを検討した。嫁様はスパっと決められる性格なのであきれていたが、私にはどうしても比較検討をしなくては決定することができない性分なのだ。得てして外装の仕様を決める為に深夜遅くまでかかる日が何日も続いたのだった。
4.1.2 内装は施主支給で自分だけの家を目指す
家の内装に進んでからは、設備を選ぶ日々が始まりまった。内装についても私はハウスメーカーが取り扱えるメーカーから選ぼうと考えていたのだが、嫁様が施主支給で好みの設備を取り付けたいと言い出した。
建材を選択する際にはハウスメーカーの取引のある業者から好みの建材を選ぶ方法と、完全に自分で見つけてきた建材を自分で購入してハウスメーカーに取り付けてもらう施主支給の2通りがある。
施主支給ではハウスメーカーからの補償がなくなるが、世界中にあふれるめずらしい建材を取り付けることが出来るのだ。
例えば、手すり一つをとっても、星の数ほど素敵な素材があるのだ。
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見ているだけでも楽しくなれる建材選び。選び抜かれた建材で建てると、建ててからの愛着の湧き方が分譲とは違う。 |
このように、『凝ったデザインの建築素材』はハウスメーカーの標準設備には存在しない。万人受けする物ではないと分譲住宅には採用されないのだ。
得てして、内装設計のこの日から嫁様も私と一緒にネットとカタログを読みあさり、理想の設備選びに没頭する事になったのだ。結局、内装の仕様が全て決まるのは最終打ち合わせの2時間前まで悩み続けたのであった。
自由すぎる設計も凝り性の人には一長一短なのだ。
4.2 土地も建物もバラバラに取得する為、割引が得にくい
家電などを買うときは価格.comあたりで最安値を調べて、なるべく損をしない様に安い店を探す。時には値引き交渉をしたりとなるべく安値を引きしてから購入する。
4.2.1 土地と建物は値引きできるか
では、土地と家は値引きできるのだろうか?
答えは以下のとおりだ。
土地と建物の値引き可否
土地の値引きは厳しい
家はできる(ただし、施工依頼先の裁量次第)
実は土地は値引きしてもらえる可能性がとても低いのだ。しかし、その半面、注文住宅であれば建物の値段は交渉次第で値引きをしてもらうことができる。
4.2.2 分譲や建築条件付きは購入先が同じなので値引き安い
建築条件付き住宅などであれば土地は「施工依頼先から建築条件付きで買う」事になる。この場合、施工依頼先と土地購入先が同じなるので、施工依頼先は、土地を買ってくれたら、自分のところで建築も行えるわけだから、土地分と建築分二つの利益から値引きを考えて貰える様になる。こうして土地も値引きして貰いやすくなるのだ。
4.2.3 注文住宅は基本的に土地と建物の購入が別
注文住宅では土地の入手について「持っている土地を使う」か「誰かから買う」事になる。いずれにせよ、施工依頼先と土地の購入先が異なる事になるので、「土地分の値引きを建物で行う」という合わせ技が使えなくなるのだ。しかし、注文住宅は、土地のみを先に手に入れる為、土地購入先は土地のみの利益しかないため、その土地に買い手が付く限りは値引きをして貰いにくくなってしまうのだ。
4.3 土地取得後、建物建築完了まで、減税の効かない高価な固定資産税を払わなければならない
土地を取得すると二つの税金が必要になる。具体的には以下の2つだ。
土地取得後に必要になる税金
『固定資産税』『都市計画税』
費用は地域により千差万別だが、都市部、または都市通勤圏内であれば、10万から20万程かかると見込んでおく必要がある。
4.3.1 建築後ならば住宅ローンで相殺できる額
この二つの税金は1年に1度課税される。同じく1年に1度支給される住宅ローン減税は借入金と収入にもよるが、2000万の借り入れと500万程度の収入さえあれば20万程度が戻るため、相殺できる額とかんがえることも出来る。分譲では税金がかかるのと住宅ローン減税が同時にスタートするので住宅ローン減税があるうちは支払いが苦しいとは感じないだろう。
4.3.2 注文住宅では住宅ローン減税前から税金がかかる。
しかし、住宅ローン減税は家を建ててからしか適用する事が出来ない。目当ての土地を取得しても、施工依頼先が見つからず土地をそのままにしておくと毎年固定資産税と都市計画税がかかってしまいますので、土地探しと施工依頼先探しは平行して行うと良いだろう。