分譲住宅(建売)の5つのメリットと4つのデメリット

建売と言われる家の買い方がある。
いわゆる、『分譲住宅』だ。
 
新築で家を買うなら最もスタンダードな買い方の一つだ。
 

1. 分譲住宅ってどんなもの?

分譲住宅とは、先に家が建てられ、外構もきちんと整備され、今すぐ住める状態にしてから販売される住宅を指す。既に外構、構造、外装、内装全てが完成しているので個人の趣味嗜好を反映することは出来ない。
 
 

2. 分譲住宅を売ってるのはどんな会社?

この販売方法を主に使用するのは『ハウスメーカー』だ。
先に、販売側で土地の購入、建築の費用を拠出しないと出来ない売り方の為、売り手側に資金余力がないとできない為、分譲住宅の多くは資金に余力のあるハウスメーカーが行っている事が多い。
 
 

3. 分譲住宅のメリットは?

 
 

3.1 注文住宅や建築条件付き住宅に比べ安い

 
ハウスメーカーは一度に複数の家を、近くの地域に建設して無駄を省くことでコストを抑えている。
一度に建設を行うと、資材の大量発注で割安に仕入れられたり、建機の搬送回数を減らすことが出来るので、ガソリンや人件費を削減する事が可能になる。また、注文住宅や建築条件付き住宅は、土地の購入と、家の購入が分かれているので登記などの諸費用が二倍かかることになる。
その点、分譲住宅は土地も家も一度で購入しますので諸費用を節約する事ができるのだ。
 
 

3.2 既に完成しているので費用の総額が掴みやすい

 
注文住宅や建築条件付き住宅は希望によって、家の構造や設備を追加変更ができるので、自由が大きい反面、費用総額も予想していたより圧倒的に大きくなる事が少なくない。・・・というか、予定した費用に収める事は至難の業だ。その点、分譲住宅は既に完成している為、家の構造や設備を気軽に替える事はできまないのだが、予想外の出費が生まれる事もない。
 
 

3.3 既に完成しているので、「こんなハズじゃなかった」が少ない

 
全て理想通りの家を建てるのは非常に難しい事だ。注文住宅や建築条件付き住宅は、カタログや画像で完成予想を考え、建築していくので、どうしても全てが実物を見ながらの買い物という訳にはいかない。その点、分譲住宅は家本体、内装設備、外構が全て整った状態で見る事が出来るので、納得して買い物をする事が出来る。
 
 

3.4 気に入ったらすぐに住み始める事ができる

 
注文住宅や建築条件付き住宅は、契約してから造成して、家を建てる。どんなに短くても4~5ヶ月はかかるのが普通だ。その点、分譲住宅は全て整った状態だから、手続きさえ済めばすぐにでも住み始める事ができる。
 
 

3.5 倒産のリスクが少ない

 
注文住宅や建築条件付き住宅で一番恐ろしいのが、契約後の委託先倒産だ。着工前に必ず工事費用の何割かを支払うので、建築途中で倒産されてしまうと、先払いした費用は返ってこないリスクを抱える事になる。そればかりか、中途半端に建設された家が残ってしまうのだ。その点、分譲住宅であれば、完成品の購入になる為、この様な恐ろしいリスクに悩まされる事はありません。
 
 
 

4. 分譲住宅のデメリットは?

 

4.1 理想が実現しにくい

 
あなたが、注文住宅や建築条件付き住宅と分譲住宅を迷っているならば、少なからず間取りや設備に理想をもたれていると思う。
しかし、分譲住宅はあくまで完成した家なので、その理想が実現できるかが問題となってくる。例えば、『大きな壁面に設置する巨大書棚』を造りたいとする。しかしながら、書棚を造る為に必要な『大きな壁』が分譲住宅にはなかなか存在しないのだ。どの部屋にも収納庫の扉があり、互いの部屋を繋ぐドアがあり、いくつもの窓が備え付けられている、いわゆる、『スタンダードな家』になってしまっているのだ。万人受けする家でないと、買い手が見つからない可能性がある為、どうしても分譲住宅は当たり障りのない仕様になってしまうのだ。こうなると、どうしても『大きな壁がある家』にはなりにくい
。建築デザインの雑誌をめくると目に飛び込んでくる素敵なデザインの家具や設備がある。しかし、それらを分譲に後付しようとすると、構造的に不可能である事が多くあるのだ。どうしても実現したい家具や設備、デザインがある場合は、工事が必要になるが、不可能ではない。販売しているハウスメーカーに相談してみると良いだろう。
 
 
 

4.2 近隣の家と同じ設備

 
分譲住宅は、同じ地区に一斉に建てられる事が多い。その際に、コストを節約する為、同じ仕様の資材が大量発注されるので、同時期に建てられた近所の家は、外見にこそ違いが出されていたとしても、内装設備はみな同じ物が使われていたりする。なので、周りの家より設備に個性を出したいと思うなら、取り替える手間になるので注文住宅の方がおすすめになる。
 
 

4.3 ゆっくり選べない

分譲住宅は、同時期に建設された物件が完成した後、段階的にわけて、複数の家が一度に販売される。
第一期に、完成した10物件を販売で抽選販売
第二期に、完成した10物件を販売で抽選販売
第二期で発生したキャンセル1物件を50万値引きして先着販売
 
といった感じだ。人気のあるエリアの分譲販売は、魚市場の競りのごとく、激しい戦いが繰り広げられる。人気があれば受付開始直後に全て商談中、1週間後には完売という事も珍しくない。
 
 

4.4 他人が家の中の構造を知っている

分譲である以上避けられない悩みとして、『一時的に間取りが公開される』というものがある。分譲住宅は完成した家を販売する都合上、自分が下見をして購入するまでの期間に他人が家の中に入り下見をする事で中が知られてしまうのだ。また、販売する際には間取り図や価格がインターネット上やチラシで公開されますので知ろうと思えば、あなたの家の間取りや価格は知られてしまうということになる。だからといって泥棒に入られやすいという統計情報があるわけではないが、どうしても気になる方は注文住宅で完全に自分と建築委託先のみしか知られていない環境にすると良いだろう。